【新唐人2013年12月28日付ニュース】中国では大気汚染が悪化し、スモッグが全国に広がっています。最近、北京で開かれた「財新サミット」で、「中国の大気汚染を解決するには2900億ドル必要だ」とある学者が発言しました。ただし、巨額の予算を投じても、本当に大気汚染対策に使われるのか、逆に官僚の私服を肥やすことに使われるのではないかと、案ずる声もあります。
中国中央気象台は25日、再度、スモッグ警報を出しました。北京南部、河北省中南部、天津市、山西省南部、河南省北部、陝西省中部、江蘇省などの地域です。25日の夜から、それらの地域ではスモッグが北から南へ流れて、消えていきました。
河北省では21日から、スモッグ警報が連日出ています。他に、吉林省、山東省、江蘇省などでも警報が出されました。また先日、74都市のPM2.5に関するデータが初めて発表されました。これによると、16都市は大気汚染が深刻でしたが、空気の悪い都市ワースト10のうち、6都市を河北省が占めていました。
スモッグは天災なのか、あるいは人災なのでしょうか。最近、中国の環境NGOは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新報告書に基づき、シンポジウムを行いました。
これに参加した中国人民大学の王克(おう こく)教授は、中国の温室効果ガスについて「排出量を厳しく制限する目標がない」と述べました。
中国は現在、温室効果ガスの排出量が世界一ですが、欧米は排出量を減らしています。
評論家 鞏勝利さん
「人災のはずです。中国5000年の歴史で、有害物質を含むスモッグが起きたことがないからです。特に胡錦涛政権が発展の質を無視したことが、致命的な過ちです」
中国の南部では12月からスモッグに見舞われ、100都市以上が被害を受けています。23日、河北省の石家庄市などで大気汚染が悪化した他、四川省東部の都市や農村も、スモッグに覆われました。
西安のスモッグはどれほど深刻なのでしょうか。有名な大雁塔(だいがんとう)の写真で確かめてみましょう。10月24日に撮影された時は、背後の建造物がはっきり見えていましたが、12月18日に撮られた写真だと、大雁塔が見えなくなっています。ブログでは、「大雁塔は発射されたのか」「中国人は大雁塔の発射成功を熱烈に祝う」との書き込みもありました。
また河南省鄭州市の交通当局は、「信号機すら見えにくくなるほどスモッグが深刻になれば、スピード違反を取り締まる監視カメラも使えなくなるだろう」と述べました。
民間主催の最高レベルの経済サミット「財新サミット」では「中国の大気汚染解決には2900億ドル必要だ」と学者が発言しました。
環境保護活動家 陳法慶さん
「環境汚染対策に国は巨額の予算を投入しますが、被害者は中国の庶民です。空気さえ汚染されたのに、メディアは空気がきれいと伝えています。結局 政府が問題を重視しないため、呼びかけばかりで、行動が少ないのです」
どの国にとっても2900億ドルの予算は、天文学的な数字です。しかし、仮に巨額の予算を投じたとしても、本当に中国人がマスクをしないで外出できるようになるのか、しっかり見続ける必要があります。どのみち、巨額のお金は国民が負担することになりそうです。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/12/27/atext1031805.html(中国語)
(翻訳/河合 ナレーター/村上 映像編集/工)